正体みたり
「コワい!怖い!こわいの。」
頑なに
プールのスクールを怖がるKさん。
学校のプールには入っていたらしい。
一緒にプールに入ることはできる。
一緒に海で浮かびながら遊ぶことはできる。
水遊びも、潜るのも楽しんでいるKさんを知っているので、
水が怖いわけではないことは、容易に想像できる。
なぜだろう?
と思う。
こわいの?何が怖いの?
と聞くと、「泳ぐのが怖い」
とのこと。
じゃぁ、泳がなくていいよ。まず、水に入ってみればいい。
と、説得されてプールに入ってきたら、水に入るのは楽しかったらしい。
さて、次の週、
やはり、怖いのコワいの、こわいの~!と
プールスクールの前で、震えている・・・。
水は大丈夫だったよね?
この前大丈夫だったから、今日も行ってみよう。と促すも、
怖すぎて、足がすくむらしい。
ママと離れるのが怖いの・・・。とも言っている。
とはいえ、学校では、ママと離れているKさん。
?本当にそこが怖いの?と疑問を残しつつも、
手を変え品を変え、なんとか、Kさんは説得されてプールサイドへ。
スクールが終わったら、「楽しかった!」と言っている・・・。
「じゃあ、また、来られるね!」というと、
再び、固まる・・・。
何が怖いのだろう?と聞いても、「分からないけれど怖い~」と言っている。
怖い物の正体が漠然としていて余計怖い。
というのは、あるあるだなぁ~。と思いながらも、
少し時間をかけて、少しずつ聞いていく。
水?顔を水につけること?
泳ぐこと?
いや、やはり水関係ではないらしい。
そして、いくつか聞いていく中で、
更衣室で着替えるのが怖い。みんなと着替えるのが怖い。
というところまで、分かった。
学校で着替えることはできるよね?
他の人と着替えることもできるよね?
混んでいるから人とぶつかりそうなのが怖いの?
だったら、離れて着替えればいいよね?
違うらしい。
誰かが洋服間違っちゃったり、誰かの洋服間違っちゃいそうだから?
だったら、ロッカー使えばいいよね?名前も書いてあるよね?
違うらしい。
おかしいなぁ。
だって、一人で、学校で着替えもできるよね?
シャツも脱げるよね?
パンツも脱げるよね?着替えるのが恥ずかしいのかな?
だったら、バスタオル巻いて着替えれば?
違うらしい。
でもね、ちょっと、水着を着るところにひっかかる感じがあったので、
もうすこしつっこんでみる。
水着を着るのはできるよね?
と聞いてみると。
「・・・水着を着られるけれど、ひもをちょうちょ結びにするところができない。
だから、一人で着替えるのが怖いの・・・。」
と。
!!!!お~、そこか!
じゃぁ、ちょうちょ結びの練習しようね。そうだったね。
Kさんは、ちょうちょ結びがまだできなかったものね。
分かったよ。
じゃあ、練習してみよう。そうしたら、今度は、みんなと一緒に着替えられるかな?
というと、少し、目に力が戻ってきている。
そうか。それにしても、人によって、やはり、こわいの正体は色々だ。
漠然とコワいだと、本当は何が怖いのか認識していないことも多い。
コワいの正体が分かると、
対策も立てられるし、なんと、それが出来れば怖くなるのも正にだな。と。再確認。
もし、立てた対策が違ったら、また、違う方法を試してみればいいやという気になるから、
ただただ怖い状態から、進める。
これ、プールスクールではなくても、色々当てはまる。
本当に怖いのは何か?にじっくり取り組むと、
意外と進める。
ちょうちょ結びができないというところが、できるになったら!
プールで泳ぐ楽しみも奪われないで済みそうだ。
後日、「もうプールこわくない~!!!」とニコニコしながらKさん。
まだ、ちょうちょ結びはできていないけれど、
あとは、ちょうちょ結びができればいいだけだし、
もし、次のプールまでにちょうちょ結びができなくても、
かたむすびで対応できるというアイディアを他の人からもらったらしい。
少しずつ”出来た”という感覚や、
これがだめならあれがある!という経験が、
Kさんの自信につながっていきますように。
~後日談~
ちょうちょ結びができるようになったKさん、
「もう、プールでコワいものなしだ!!!はっはっは。」
だそう。
そして、何度も何度も、
うれしそうに、ちょうちょ結びをしている。
いいな。できるようになるってこんなに楽しい事だったんだね。
0コメント